[PR]
2024年11月21日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
詩的想像力
2010年04月07日
ディルタイによると、詩的想像力はイメージの変容(Metamorphose der Bilder)をもたらすが、変容の法則には三つある。排除、強化、補完の法則である。
排除の法則とは、注意が表象の中から中心的なものを選び出しそれ以外を排除する(ausschalten)ことである。強化の法則とは、作家たちが実際の経験を感情の影響の下で強めることである。排除と強化の法則によってイメージの核(Kern)が形成されるが、これはまだ現実の戯画に過ぎない。ここに補完の法則が働くことにより、イメージが獲得された心的連関(erworbener seelischer Zusammenhang)の構造を具体化・象徴でき、文学作品に生命を与えることができる。補完の法則とは、心的連関に由来する新しい構成要素がイメージの核に入り込むことである。
だが、これは抽象論であり、なんとなく納得はするのだが、では具体的にどうなるかといわれるとよく分からない。それでは少し具体的に考えてみよう。
「鳥たちがいっせいに墜落してきた」という文を作家が詩的想像力により創造するとする。まず、作家は、「鳥たち」「いっせいに」「墜落する」というイメージを獲得する。「鳥たち」のイメージを獲得するとき、そこには周りの木々や建物のイメージも付随していたかもしれない。だが、それら余分なものを排除することにより、「鳥たち」のイメージが得られる。次に、作家は、この文を書くためには、鳥たちの墜落のイメージをありありと鮮烈に思い描かなければいけない。ここに強化の法則が働いている。さらに、作家は鳥たちが墜落している状況を現実には見ていないだろう。「鳥たち」のイメージの核に、「墜落」のイメージが心的連関から補完されることで、この文は出来上がっている。
(広田)
排除の法則とは、注意が表象の中から中心的なものを選び出しそれ以外を排除する(ausschalten)ことである。強化の法則とは、作家たちが実際の経験を感情の影響の下で強めることである。排除と強化の法則によってイメージの核(Kern)が形成されるが、これはまだ現実の戯画に過ぎない。ここに補完の法則が働くことにより、イメージが獲得された心的連関(erworbener seelischer Zusammenhang)の構造を具体化・象徴でき、文学作品に生命を与えることができる。補完の法則とは、心的連関に由来する新しい構成要素がイメージの核に入り込むことである。
だが、これは抽象論であり、なんとなく納得はするのだが、では具体的にどうなるかといわれるとよく分からない。それでは少し具体的に考えてみよう。
「鳥たちがいっせいに墜落してきた」という文を作家が詩的想像力により創造するとする。まず、作家は、「鳥たち」「いっせいに」「墜落する」というイメージを獲得する。「鳥たち」のイメージを獲得するとき、そこには周りの木々や建物のイメージも付随していたかもしれない。だが、それら余分なものを排除することにより、「鳥たち」のイメージが得られる。次に、作家は、この文を書くためには、鳥たちの墜落のイメージをありありと鮮烈に思い描かなければいけない。ここに強化の法則が働いている。さらに、作家は鳥たちが墜落している状況を現実には見ていないだろう。「鳥たち」のイメージの核に、「墜落」のイメージが心的連関から補完されることで、この文は出来上がっている。
(広田)
PR
そこにある作品が「こころ」だったり「人間失格」なら買いますよね。
あなたに「こころ」を人類で初めて読む権利を売るつもりでこのブログを立ち上げました。
そこには鏡筆宛のメールアドレスもあります。
「野心家読者」ならどうぞ連絡を。
「鏡筆」は筆名。それで「かふで」と読ませます。