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2017年07月23日
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詩的想像力

2010年04月07日
 ディルタイによると、詩的想像力はイメージの変容(Metamorphose der Bilder)をもたらすが、変容の法則には三つある。排除、強化、補完の法則である。

 排除の法則とは、注意が表象の中から中心的なものを選び出しそれ以外を排除する(ausschalten)ことである。強化の法則とは、作家たちが実際の経験を感情の影響の下で強めることである。排除と強化の法則によってイメージの核(Kern)が形成されるが、これはまだ現実の戯画に過ぎない。ここに補完の法則が働くことにより、イメージが獲得された心的連関(erworbener seelischer Zusammenhang)の構造を具体化・象徴でき、文学作品に生命を与えることができる。補完の法則とは、心的連関に由来する新しい構成要素がイメージの核に入り込むことである。

 だが、これは抽象論であり、なんとなく納得はするのだが、では具体的にどうなるかといわれるとよく分からない。それでは少し具体的に考えてみよう。

 「鳥たちがいっせいに墜落してきた」という文を作家が詩的想像力により創造するとする。まず、作家は、「鳥たち」「いっせいに」「墜落する」というイメージを獲得する。「鳥たち」のイメージを獲得するとき、そこには周りの木々や建物のイメージも付随していたかもしれない。だが、それら余分なものを排除することにより、「鳥たち」のイメージが得られる。次に、作家は、この文を書くためには、鳥たちの墜落のイメージをありありと鮮烈に思い描かなければいけない。ここに強化の法則が働いている。さらに、作家は鳥たちが墜落している状況を現実には見ていないだろう。「鳥たち」のイメージの核に、「墜落」のイメージが心的連関から補完されることで、この文は出来上がっている。

(広田)
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