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2024年03月28日
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日々2

2011年10月21日
日々2
         広田修



 
 言語学者の間で、パソコンの「マウス」の語源が「魔臼」なのか「舞う酢」なのかについて議論がなされた。マウスの動き方が、臼が回る動きなのか、舞う動きなのか、が主な論点となった。僕は「マウス」は英語のmouseに由来するという邪説を、勇気を出して支持したのだが、案の定黙殺され、僕をあからさまに軽蔑する学者もいた。
 

 
 ねそみを表すために「ねそみ」という言葉を作り出した。これで世界中のねそみたちに名前が与えられたわけで僕はねそみたちに感謝されるのかと思ったら、どうやらねそみたちは「ねそみ」という名前が気に食わないらしい。でもねそみを表すにはもう「ねそみ」という言葉しかないしなあ。
 

 
 冷蔵庫に付いてきた「鳥扱い説明書」を読んでいたら、そこには鳥の生態について細かく書かれていた。僕はなんだこれ関係ねえじゃんと思って引き出しの奥にしまいこんだ。だが、しばらくしたら冷蔵庫には鳥の巣が作られるし、冷蔵庫は鳥で埋め尽くされるしで、僕は慌てて説明書を引っ張り出して読み返してみた。だが、いつの間にか「取扱い説明書」にすりかわっていて、そこには冷蔵庫のことしか書かれていなかった。
 

 
 今日、三途の川に行った。美しい林の中を繊細な音を立てて流れる清流で、淡水魚が泳ぎ、水を飲むこともできるらしい。僕は川岸の石に腰を下ろし、木漏れ日を受けながら、天国とはこういう場所なのだろうと思った。
 

 
 街角に危険屋が立っていたので、「豆腐の角に頭をぶつける危険」を一万円で購入した。わくわくしながらスーパーに行ったら、店員が豆腐の入ったコンテナを運びながらつまずいて勢いよく転び、飛んできた豆腐が僕の頭を掠めていった。
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